東映アニメーション研究所

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堀江美都子氏 特別講義(2009年)・1


プロフィール
堀江美都子(ほりえ・みつこ)
1969年、テレビまんが『紅三四郎』の主題歌でアニメ歌手デビュー。以来、数々のアニメソングを歌い、『キャンディ・キャンディ』の100万枚突破の大ヒットを筆頭に多くのヒットを記録。また歌手だけではなく、声優・DJとしても活躍中。主な作品に『アクビ娘の歌(ハクション大魔王・主題歌)』、『銀河伝説(ヤマトよ永遠に・劇中歌)』、『花の子ルンルン(主題歌)』、『Drスランプアラレちゃん(オボッチャマン役)』、『魔法少女ララベル(ララベル役)』『愛少女ポリアンナ物語(ポリアンナ役)』などがある。

堀江美都子氏・特別講義(2009年)・1
 
 こんにちは、堀江美都子です。
 私は歌手としてアニメソングを歌ったり、声優として作品に出演したり、それ以外にも様々なお仕事をさせて頂いています。
 今日は私の経歴や経験をお話することで、日本のアニメーションがどのような道をたどってきたか、少しでも知ってもらえればと思います。
 これから仕事に携わるみなさんにとって、新しいことを知るのはとても大切ですが、古いことも知っていれば、きっと役に立つはずです。

 私が生まれたのはのどかな所で、日本家屋の平屋建てに大家族で暮らしていました。サザエさんや星飛雄馬の家のように、本当に家族みんなでちゃぶ台を囲んでいたんですよ。
 日本はちょうど高度成長期で、エネルギーが世の中に満ちあふれていましたが、テレビはまだまだ高級品でした。ほこりをかぶらないように、使わない時にはカバーをかけているほどでしたね。
 私の両親は戦後すぐの焼け跡で暮らした苦労を知っていますから、子供には大変な思いをさせたくなかったんでしょう。決して裕福ではありませんでしたが、家にはいつもクラシック音楽の流れているステレオがあって、バイオリンまで習わせてもらいました。
 素晴らしい情操教育を授けてもらったと感謝していますし、仕事として音楽に携わるようになってからも、その頃の経験は大いに役に立っていると思います。バイオリンを弾いていると頬の骨が震えるように、音を体で感じられることは、やっぱり大きいんですよ。
 もちろん、本もたくさん読みましたし、夢中になって映画も観ました。ディズニーアニメが多かったのは、今思えば、子供にそういった作品を見せるのが両親のステイタスになっていたのかもしれませんね。
 テレビアニメは、まだテレビ漫画と呼ばれていた時代でした。私はテレビっ子の最初の世代ですし、たくさん娯楽がある時代でもありませんでしたから、女の子向け男の子向けに関わらず、可能な限りほとんど全ての番組を観ていました。

 そうやって観ていた番組の主題歌には、今でも歌詞を見ずに歌えるものがいくつもあります。大人になってから新曲を覚える時の苦労を考えると、子供の吸収力って本当にスゴイですよね。それに、テレビ漫画の主題歌って、それほどかけがえのないものだったんです。
 グッズを集めたりもしましたよ。おまけについているキャラクターのシールが欲しくて、缶入りのココアをやたらとたくさん飲んだりしました。
 チョコレートを買って応募した懸賞で、プレゼントにソノシートをもらった時は、本当に嬉しかったですね。ソノシートってご存知ですか? プラスチックで作られた薄くて小さなレコードなんですが、ターンテーブルにかけて、テレビ漫画の歌が流れてきた時の感激は忘れられません。
 アニメを楽しむ時のドキドキワクワクする気持ちは、いつの時代でも変わらないんじゃないでしょうか。
 
(編集構成:本川耕平)
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