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堀江美都子氏 特別講義(2009年)・5


堀江美都子氏 特別講義(2009年)・5

 『ひみつのアッコちゃん(第2作)』の収録現場は、こんなにも楽しい現場はないと思うほど楽しく、充実していました。
 スタッフと出演者が、指示を与える側と受ける側に分かれてしまうのではなく、何でも話してディスカッションをしながら、心をひとつにして番組を作り上げていました。信頼関係に支えられた交流があったんですね。理想に近い雰囲気だったんじゃないでしょうか。
 収録後の飲み会なんかにも、積極的に参加していましたよ。そういう場でこそ、普段はなかなか口にできない、本音を打ち明け合ったりできるじゃないですか。コミュニケーションはとても大切なんです。
 お芝居も相手があってのものですから、自分一人の世界に閉じこもって台詞を読んでいるだけでは、どんなに技術があっても表現にはなりません。逆に、共演者の方とキャッチボールをするように意思疎通を図りながらお芝居をして、ピタリと息が合った時には、演技する喜びを心から感じられます。

 デビューしてから長い時が過ぎ、私もいつの間にかベテランと呼ばれるようになりました。でも、気持ちはいつも、初めてマイクの前に立った時のままです。例えばステージに上がる前には、心をまっさらな状態に戻すようにしているんです。そうすれば、新鮮な気持ちでお客さんと向き合い、歌を届けることができますから。
 自分が主題歌を歌い続けている限り、作品は決して古くならないと信じています。だから命が終わるその時まで、私は歌い続けていたいんです。
 『キャンディ・キャンディ』をはじめ、携わった全ての作品とキャラクターは、一生の仲間であり、時には乗り越えなければならないライバルでもあります。そして何より、自分をここまで育ててくれた、かけがえのない宝物です。
 作品が海外でも評価され、世界中の方々に大切にしてもらっていると聞くと、本当に幸せな気持ちになります。可愛がっている子供たちが、立派に成長したのを見る感じでしょうか。ラブコールを頂いて海外で歌う機会があるのは、子供たちのおかげです。

 苦しいことも、たのしいことも、たくさん経験してきました。これからは、自分が与えてもらったものを、道を歩き始めたばかりの皆さんに伝えてゆければと思っています。今すぐには受け取ってもらえないかもしれませんが、いつかどこかで役に立ててくれたら、それで充分です。
 先人をリスペクト(尊敬)する気持ちを忘れず、今この時に出来ることを、精一杯にこなして下さい。失敗を恐れずに、勇気をもって困難に立ち向かってください。
 なかなか結果が出せずに、苦しむこともあるでしょう。でも、先は長いですから、認めてもらえる時は必ず来るはずです。
 大人になってからでも、いくらでも自分を磨くことは出来ます。私も長い間歌い続けてきましたが、まだまだ理想を目指して努力を続けている最中です。
 頑張ってくださいね。私も頑張りますから、一緒に成長してゆきましょう。 (終)

(編集構成:本川耕平)
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